ハヤシライスで世界を救え!! 調理開始
ある日のことであった。
ハヤシライス調理実験初期段階。
「あれ、これうまいんじゃね? 店出せるくね?」
と、店長と僕はノリに乗っていた。
そんななか二人の知り合いの女性に試食してもらう。
「正直に言っていいですか? 美味しくないです」
初の女性の意見ということもあってタジタジになる店長と僕。
内心若干の焦りを見せつつも女性は淡々と持論を述べていく。
「コクがないし、塩っ気もなくて味が薄いです。酸味だけがただ強くて」
こうして二人の男はなすすべなく佇んだ。
ワインとトマト缶をベースにしてしまったせいか味が薄くなってしまったのかもしれない。自然味あふれる味は濃い味に慣れてしまっている今の若者に響かない。
と、なんとか昇華させてみたがショックを隠すことはできなかった。
「こうなったらあの女性に絶対美味しいって言わせてやる!」
僕と店長は誓いを立てるのであった。
こうして二人の逆襲のハヤシライス作りは幕をあけるのだった。