人生の空欄を埋めていく旅

勝手気ままにいきていきたい人のブログ

二浪日記の解説②

4 社会構造に対して疑念を抱く。というより社会を憎んでしまう。道を歩いているだけでそこらへんの人に対してイラついてしまう。

二浪しているときの僕は極めて反社会的だった。

常に眉間にしわを寄せながら駅から塾までの道を歩いていたものだ。

今思えばストレスを発散する方法がなかったのだろう。

受験勉強に意識が向きすぎて他のことを意識する余裕がなかったのだろう。

おもんない。

当時の自分も今振り返ってみてもそう思う。

書きたくもないのだがどんなことを思っていたかというと、

・公の場でギャーギャー戯れている輩は死ね。

歩きタバコすんなや殺すぞ。

・友達と会話せずに本でも読めや

などである。

浪人中の皆さん。

ストレスをうまく発散しましょう。

できなければ受験なんてやめましょう。

 

5 友達に無性に会いたくなる。とりわけ高校時代に親友に会いたくなった。たまに友達に会った時はめちゃくちゃ楽しかった。

 

いきなり矛盾するようだが、友達と遊んでいる同年代の輩を見ると無性にイラついた一方、自分がいざ旧友と会うとめちゃくちゃテンションが上がった。

彼女と会う約束くらいテンションが上がる。

何が言いたいかというとそれだけ当時の僕は娯楽が少なかったのだ。

携帯時代などがない古き時代では、旅人は情報を持ってくる媒介人として田舎などでは手厚くもてなされたそう。

多分あれと一緒だ。

でもこっちとしたら本当にごくたまに遊べる恋人のような存在だったかもしれないが、向こう側としては普段から大学の友達と一緒に遊ぶ感覚。

恋愛で例えると遊び相手でしかなかっただろう。

なんかそう思うとめちゃくちゃ恥ずかしいのだが。

予備校通っている人は分かった上で友達を作らないか、友達を何人か作ろう。

 
 

二浪日記の解説①

 

igamocchi.hatenablog.com

 

1、家族には感謝を

まずはじめに家族に感謝の言葉を。とりわけ祖母に。僕が浪人している間、目もおぼつかないにもかかわらず洗濯やら食事を作ってくれて感謝感謝です。浪人生活は家族の支えで成り立っていることは忘れないようにしてほしいです。

 

2、参考書マニアになる

無駄に参考書について詳しくなる。「あの参考書はどうだ」だの浪人生同士で話し合うことは多いです。しかし、この参考書にマニアックになるという状態はあまりよろしくない。なぜならそういう詳しい人に限って勉強できなかったりするから。あと逆に一つの参考書を完璧にマスターしろとよく言われると思うけどあれはどうなのかなと個人的には思います。すぐにマスターできる人ならすごく良いことだと思いますが、なかなかマスターできない人は一つの参考書にこだわり過ぎても時間のロスかなと思います。それよりかはある程度時間をかけたなら次の自分にあった参考書に映るべきだと僕は思います。

参考書のことだけで一つのブログが書けますが、ここではあと一つだけにとどめておきます。参考書選びにおいて何よりも重要なことは自分に合った参考書を選ぶこと。周りの友達、参考書の参考書、塾や学校の先生を参照するのはもちろん良いことですが最終的には自分で書店に行って肌に合うものが一番だと考えます。では、自分の肌に合った参考書とはなんでしょうか。僕は「この参考書だったら継続して楽しく勉強できそうだな」や「そうそう。この痒いところを書いて欲しかった」と思えるような参考書だと考えます。

 

3、学校教育に疑問を抱く

今までは当たり前だと思っていた学校の教育に対して浪人生になると疑問を抱きました。もちろん学校生活ですでに疑問を抱く生徒や大学生になって初めて気付く人もいることでしょう。それが僕の場合だと浪人生であり、意外とそういう人多いんじゃないかなと思います。これはデータを取っていないので完全な主観ですが。

学校で教えられたことは僕の感想だと受験や仕事におけるスキルとして役立つものばかりで、もっと社会に出た時に必要とされるコミュニケーション能力や時間、お金に関する教育は自分で学ぶしかないなと感じる。もちろん先生は今振り返れば良いことを言っていたとは思うが、当時の率直な感想を述べると「また同じこと言ってるよ」、「知ってるよ」と思いながら聞いていた。なぜそれが大切なのか理由がわからない。実感がともなう説明がないのだ。正論を振りかざしているだけの印象を受ける。正しいことを言ってはいるのだが定着しない。

「大人の言うことを聞きなさい」とよく言われるが、先生や親といった大人の言うことをなんでもホイホイ聞くようなやつは主体性がなくて面白くない。ソースは僕自身だ。学校にすごく適応する生徒って優等生というハンコを押され学校では優越感に浸って過ごせるけど社会に出たら面白くないやつと見なされるような気がする。

ここで言いたいのは、じゃあ大人の言うことはなんでも聞くなではなく、常に自分で考える意識を持って欲しいということ。権威に服従してはいけませんということが言いたいのです。

 

ハヤシライスで世界を救え!! 後片付け

 朝日が昇って間も無くして僕たちはカフェに集まった。

「昨日はよく眠れたか?」

 店長が声をかけてくれる。

「はい。バッチリです」 

 僕はうんと背伸びをしながら答える。

「いよいよ今日ですね」

「だな」

 今日はついに前回「美味しくない」と言われた女性にリベンジマッチを行う日。焦りはなく清々しささえあった。

「よしやるか!」

「やりましょう!」

 朝からゴタゴタ準備を始め、それが終わるといつものようにダラダラしてるとすぐに女性が来る時間となった。

「こんにちわ」

 女性がやってきた。

「あれから首尾の方はどうですか?」

 余裕を持って女性が訊ねてくる。

「おおよ、バッチリ」

「本当のハヤシライスを味あわせてあげます」

「あら、楽しみだわ」

 にこりと笑う女性。

 調理に取り掛かる僕。数多くの試行錯誤した賜物かいつの間にか調理の手際は以前より格段に上がっていた。

「おあがりよ!」

 僕は女性にハヤシライスを差し出した。

 女性が一口食べる。

「これは!? コクが増してる?」

 そしてもう一口食べる。

「デミグラスソースを使ったわね」

 さすがに女性というだけ味に敏感だ。

「そうっす。デミグラスを加えることで濃い味に仕上げました。あとは豆乳っすね。それもコクを増してます」

 なるほどという顔をする女性。

「よく、この短期間でここまで仕上げましたわね」

 ナプキンで口を丁寧に拭きながら女性は僕たちのハヤシライスを褒め称えてくれた。

「実際、ギリギリだったけどな。この味にたどり着くには。ハヤシライスの喪失。思わぬライバルの登場。いろんなことがあったからな」

 店長が答える。

「どうだい?」

「ええ、美味しいです」

 歓喜の瞬間だった。僕と店長はにっと笑いお互いにハイタッチを交わした。

 外は春日和。猫があくびをしながら街を徘徊している。カフェの時間はこうしてゆったりと過ぎていく。

 ハヤシライス。牛肉や玉ねぎをデミグラスソースで煮込んだ料理。その地位はカレーライスより馴染み薄い。

 S店長と僕。

 ここにハヤシライスに情熱を注いだ二人の英雄がいたことは今となっては誰も覚えていないのであった。

 

ハヤシライスで世界を救え!!(完)

 

 

ハヤシライスで世界を救え!! 完成・実食

 僕は深呼吸を行う。

 今まで行なってきた数多くの試行錯誤を思い出す。そしてーー。

「よし」

 まず玉ねぎを切って炒める。

 炒めた玉ねぎは鍋に入れ今度は牛肉をバター醤油で炒め玉ねぎと同じく鍋に投入。

 ハヤシライスのベースはワインとトマトとデミグラスだ。

 これを先ほどの鍋に投入してじっくり煮込む。

 コクを出すために最後に豆乳を投入するのも忘れない。

「できた!」

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 今までの試行錯誤が詰まったハヤシライス。

 これが僕たちのオリジナルなハヤシライスだ。

「実食だ!」

 店長に頷き僕たちは実食を行う。

 目の前にはハヤシライス。緊張の面持ちで僕たちは無言で頷きあって口に運ぶ。

「これか……」

 僕は思わず呟く。

「ああ、やっとたどり着いた」

 店長も満面の笑みを浮かべた。

「いいじゃない。美味しいわよ」

 スタッフの女性も賛同する。

「これで残すところは……」

「あの女性に『美味しい』と言わせることだな」

 

☆ 次回、二人の英雄の最後をご覧あれ!!

 

ハヤシライスで世界を救え!! 盛り付け

☆美味しい食事の代償は圧倒的な敗北感であった……

 

「あの味を越すことができると思うか?」 

 店長は言った。

「いや、今の俺じゃとてもじゃないけど無理です」

 僕は言う。

 中村屋のハヤシライス。まさかレトルトのハヤシライスがここまで美味しいとは思わなかった。

 コクがありまろやかでそれでいてしつこくない。

「いや、あんたたちバカでしょ?」

 カフェのアルバイトスタッフの女性だ。

「何も中村屋と競う必要ないでしょ。むしろ同じハヤシライスを世に広める身として同志でもあるじゃない」

「そういうことではないのだ」

 と、店長。

「ああ、そうだ。男には引けないときってもんがあんのよ」

 と、僕。

「俺は俺のハヤシライスを世の中に広めたいんだ!」

 店長は拳を握り立ち上がり高らかに宣言した。

「それは自己顕示欲っていうんですよ〜」

 目が笑っていない微笑みで女性が語りかける。

「ったく。もっと肩の力を抜いていけばいいのに。ハヤシライスを広めることと例の女性に美味しいと言わせることが目的でしょ? だったら他と競わなくても自分たちのオリジナルなハヤシライスを作ればいいじゃない」

 やれやれと言わんばかりの女性。

「自分たちの……」

「オリジナリティ……?」

「そうよ。あんたたちが美味しいって思うハヤシライスを作ればいいのよ。常識的なハヤシライスから外れない限りね」

 そうか。そうだったのか。

「俺たちは大事なものを見失っていた」

「ああ、どうやらそのようだ」

 オリジナリティ。料理人があくなき求めるもの。ハヤシライス探求道もそこに通ずる。

「今までの日々を振り返るのよ。あなたたちならもうきっとできるわ」

 俺たちの……。

「ハヤシライスってやつか」